外資系キャリアウーマン駐在員の日常

貪欲な三大欲求を持つアラサーの頭の中を吐き出す雑記。アメリカの地方都市で駐在員しています。

なぜ東京医大は女性入学者を減らすことにしたんだろう

ここ最近の東京医大に関する一連のニュースは興味があってチェックしている。

ニュースを見ていて疑問に思ったのは、東京医大が女性入学者を減らしていたのか、だ。背景として、女性医師は結婚や出産で辞めやすいことや、勤務時間が長いことや物理的に力が必要なことも多いから男性医師が多く必要であるから、ということを理由にしているものの、なぜ一大学である東京医大が医者全体の男女比を考慮して女性入学者を減らしていたのか。学生が研修医となり、そのまま東京医大の附属病院に勤務することも多いだろうが、それにしてもやりすぎである。

 

この記事を読んだ時、東京医大の今回の問題に通じるものがあると思った。

外資系は社員ファースト キャリアも働き方も自分次第|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE

 「外資系企業は社員を制度に合わせるのではなく、社員に合わせて仕組みを変える」と話すのは、自身も外資系企業でのキャリアが長く、企業統治が専門の北川哲雄・青山学院大学大学院教授だ。人材流動性が高い社会において「優秀な人材の流出を防げると同時に、働きやすい環境でなければ良い人材も採れない」からだという。

病院の世界というのは医者を既存の働き方に合わせる環境であり、女性が辞めないようにしたり、女性でも働きやすくするために仕組みを変えようとせずにきたのではないか。また、そもそも女性医師の数が少数派であるから仕組みを変えざるをえない状況にならず、女性入学者を減らすのは致し方がない、と医者達自身が言うようになったのではないか。

医師でタレントでもある西川史子さんは、「女性医師が増えると、皮膚科医や眼科医が増えて困ることになるから仕方がない」みたいな発言をされていたようだが、これは他の診療科の労働環境が過酷であるから、結果的に女性医師がこれらの診療科を選択しているだけであって、やっぱりそもそも労働環境の改善がなされれば問題にならないことであるはずだ。

難しいのは、医者の世界はネットワークが強く、働きにくいから他の病院に移るという選択肢を取りにくいであろう環境であることや、また、病院によって強い領域があって、過酷な労働に耐えてでも得られる知識や技術があることなのかなと思う。

 

私としては、東京医大こそ、公平な入試をすべきだと思っている。東京医大は私立の医大で学費も高く、親が医者である率も高い。それはつまり、医師会を含め、医者のネットワークに意見しやすい環境であるはずだから、それをうまく使って、有能な医師であれば女性でも男性でも働ける環境づくりをしてほしいなと思う。

 

行政は他の医学部に関してもこのような入学者操作がなかったか調査を開始した。東京医大に限らず、女性や浪人は医学部に入りにくい、とは昔から言われていたことだから、まあどこも点数操作してるんだろうなと推測している。少し前から厚労省は医者の労働環境改善に取り組んでいるから、それが上手くいって、結果として、女性入学者を減らす必要がなくなるといい。