外資系キャリアウーマン駐在員の日常

貪欲な三大欲求を持つアラサーの頭の中を吐き出す雑記。アメリカの地方都市で駐在員しています。

LGBT理解への必要性で、一番しっくりきた説明

LGBTに対する政治家の発言が最近ずっと話題だったし、企業の取り組み等も少し前からよくニュースで見かけるようになった。そのような話題の際に、LGBTの人たちにも同等の権利を、とか、人権を、みたいなことが、LGBT理解への必要性として語られるが、私の中でいまいち腑に落ちない説明だった。私のまわりの人でLGBT理解に否定的な人がいて、「自分は、自分の性的趣向を周りに伝えてないし、伝えたいとも思わない。だから、なんでLGBTだけカミングアウトして、それに対して配慮しなきゃいけないのか」と言っている人がいて、さすがにそれは違うだろと思ったものの、その発言に対して私はうまく反論できなかった。

でも、タイトルのとおり、LGBTの方々の中でもLGBTへの理解を求める人が、なぜLGBTへの理解を求めるのか、の説明でしっくりきたことがある。説明してくれた人はゲイの男性で、彼が言っていたのは、「普通の職場だと、ある程度仲良くなれば雑談をするし、その中で、休みの日に何をしてるかとか、テレビの話とかが出てくる。そういったときに、異性愛者であることを前提に話されて、かつ、相手がLGBTへの理解がない人だと、自分のプライベートに関して小さな嘘を重ね続けることになる。小さな嘘でも、嘘をつき続ければ、自分のプライベートは嘘をつかなきゃいけないようなことなんだと感じてどんどん精神的に辛くなってくるし、周囲に壁を感じたり、働きにくくなる。だから、周囲の人にはLGBTであることを受け入れてほしい。」という内容だった。

この理由は私の中ですごくしっくりきた。おそらく、日本に生まれて、特に困ることもなく生きてきた私にとっては、人権とか権利と言われると自分には関係しないようなものだと感じてしまうが、一方で、例えば職場の人との会話で毎日嘘をつかなきゃいけなかったら同僚とうまくやっていけないだろうな、とか、なんで結婚しないの、子ども産まないの?とかを普通に言われる環境だったら転職するだろうな、とか、自分に置き換えやすい、身近に感じられる説明だったんだと思う。

あと、単純に、誰かが常に辛いと思いながら働くのは悲しいなと思ったのもある。冒頭で権利とか言われてもよう分からんわ、とは書いたものの、私にはLGBT(のなかでも特にゲイ)の友達がそこそこな人数いる。もし彼らが職場で、LGBTであることで辛い気持ちを抱えながら働いていたら、私は単純に嫌だし、うちの会社に来なよ!とか言って転職させるはずだ。

 

そう考えると、LGBTだけでなく、働きやすい職場にはPhycological Safetyが必要、とここ最近言われているのも分かる気がする。自分の素直な気持ちを言っても否定されない環境は大事だ。

 

とはいえ、理解しない姿勢の人をどれだけ説得しようとしても、ある程度の年齢に達しているとなかなか価値観を変えるのは難しいし、現代の価値観に追いつけない、むしろ誰かを傷つける人は淘汰されていくしかないのかなと思う(この発言は危険な気もする。私としては、出来る限り、人を傷つけずに生きていきたいなあ、くらいの気持ち)。