外資系キャリアウーマン駐在員の日常

貪欲な三大欲求を持つアラサーの頭の中を吐き出す雑記。アメリカの地方都市で駐在員しています。

ここ最近のアメリカの状況

報道されているとおり、アメリカの新型コロナウイルスの状況は良いとは言えない。私が住んでいるところも外出禁止令が出ていて、在宅勤務生活はもう既に2週間になろうとしている。日本だとNYやカリフォルニアのような感染者数が増大している地域のニュースが流れているので色々な人から心配されるが、私の地域では確かにトイレットペーパーはいまだ買えないものの、その他の日用品は食料は普通に入手できる状況である。日頃から特に差別がある地域でもないので、コロナが話題になってからも特に何か嫌な思いをすることもなく、大変なことになったねーと近所の人たちと会話していて、パニックにはなっていない。

NYやLAでは文字通りスーパーの棚が空っぽで、牛乳すら売っていないと同僚が嘆いていた。なんでこんな地方都市で働くことに…と思ったことがなくはないが、このような混乱した状況では、のんびりしたこの都市に住んでいてよかったと思う。

 

私は在宅勤務ができるような職種だし、大きな会社なので今のところ職に対する不安はない。これは本当に有難いことである。

というのも、外出禁止令が出る前からレストラン、バー、カフェはテイクアウトのみとなっており、一度週末に飲みに行った時は街中を歩いている人が全然いなかった。その時点で飲食店の売上は激減していただろうし、飲まないということはUberを使う人もいないので、Uberドライバーの人が仕事がないと嘆いていた。また、街中から人がいなくなると、雑貨屋などの他のお店の客足も遠のいていたようだ。今はもう外出禁止令が出たので、それらのお店はすべて一時閉店している。

私が住んでいる都市はチェーン店ではないバーや雑貨屋、洋服屋などが色々あって、そこがこの街の良いところである。ただ今回のコロナウイルスの影響によって、少なくとも多くのアルバイトは一時解雇になっているだろうし、お店自体が耐えられるのか分からない。私ができるのはお金を使うことくらいなので、ネットショップを持っているお店はそこから購入したり、Uber Eatsでローカルのお店にオーダーしたりはしているが、そんなものはすごく小さな売上にしかならない。

それに、私の会社だって無関係ではない。このままこの状況が続けば業績が下がり、解雇が始まるだろう。

 

日本の社員とも話しているが、アメリカの社員の方が強く不安を感じているように思う。毎日コロナウイルスのネガティブな情報が入ってきて、精神的に参っている、と私の上司は言っていた。普段から感情を表に出すお国柄というのもあるだろうけれど、自分が感染した場合に十分な医療を受けられるか分からないということもその理由としてあると思う。この国は毎年たくさんの人がインフルエンザで死亡しているような国である。すぐに医者にかかれないという医療制度のせいでもあるし、そもそも保険に未加入で、病院にすら行けない人がたくさんせいでもある。また、昔から肥満が社会問題になっていることから、糖尿病や特定の臓器への持病を持つ人が多いのも明らかである。

以前読んだ記事で、アメリカは破産申請の半数は医療費によるもので、そのうちの少なくない数の人が保険に入っていたにも関わらず医療費を支払えず、破産申請をすると書かれていた。地域によってはホームレスも多いし、私は途上国に住んでいるのか?と思うことは多々ある。

 

みんな、いつこの状況が好転するのか分からず、既に漠然とした不安でナーバスになっていて、これで失業者や破産者が増えれば、特に都市部では治安が悪くなるのだろう。少し前までまで普通に生活していたのに、こんなにもがらりと生活が変わるだなんて、SFの世界に飛び込んだみたいだな、と感じている。